横掻式除塵設備
シンクロスクリーン
構造がシンプルで軽量、かつ安価な新型横掻式除塵機
横掻式除塵機は、ごみを掻き揚げずに本川下流へ流し去るので、ごみの貯留装置や搬出装置、さらには塵芥処理が不要となり、維持管理が容易で、しかも低コストの除塵機です。
特長
掻取歯は「三角おむすび形」
隣接しながら両方向に開店する回転隊は、「三角おむすび形」と「丸形」の2種類が考えられます。下記のように「三角おむすび形」が横掻式時塵機には適した形状です。
「三角おむすび形」は「丸形」にはない「掻取力」があるので、掻取歯の間にごみが挟まったときでも、掻き取りながら下流側に搬送することができます。
「丸形」の場合、ごみは掻取歯との摩擦力や、付着力で「掻取力」がなく、ごみが挟まった場合、スリップしたり、入り込んだままになる恐れがあります。
掻取歯は「平行配置」
掻取歯の配置方法には、「平行配置」と「ラップ配置」がありますが、下記のように「平行配置」が横掻式除塵機には適しています。
@「平行配置」は「ラップ配置」より掻取歯の直径が小さくなり、軸の本数が少なくなるので、軽量です。
A掻取歯と掻取歯が一致区洗浄に連続していますから、軸と掻取歯の間にごみが噛み込むことはありません。
B全面が同じ目幅なので、「ラップ配置」のように両サイドの目幅を小さくする必要が無く、目幅より大きなごみを取水側に流すことはありません。
@「平行配置」と同じ掻取歯の直径で「ラップ配置」にすると、軸間距離が小さくなり、軸の本数が増えます。
A両サイドの目幅が大きいので、小さくする対策が必要です。
B軸と掻取歯の間にごみが噛み込むおそれがあります。
構造
@シンクロスクリーンは、「三角おむすび形」の掻取歯の付いた回転スクリーン、クランク、連結ロッド、モータ付減速機、ワイパで構成しています。
A駆動方式は、Wクランク平行リンク機構(上下に90°ずらせた2組の平行リンク)を採用、クランク特有の死点が無いので、スムーズに回転させることができます。また、駆動装置は上部にまとめた構造になっているので、メンテナンスがきわめて簡単です。
B両サイドのワイパは、稼働式で掻取歯に沿って往復運動しますので、両サイドにごみが侵入しません。(Wクランクで多軸を同方向に同調(シンクロ)回転させることから本機は「シンクロスクリーン」と呼びます。)
動作
下図のように、「三角おむすび形」の歯が回転し、ごみは順次本川の下流に搬送されます。
適応設置寸法
取水水路幅 | 5.0m以内 |
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取水水路水深 | 2.0m以内 |
機械仕様
軸間隔 | 400m |
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掻取歯形状 | 三角おむすび形 |
外径 | 458.4mm |
板厚 | 3mm |
材質 | SUS304 |
モータ容量 | 0.4kW〜1.5kW |
まとめ
@ごみを掻き揚げず、本川下流へ流し去るので、貯留装置、搬出装置、塵芥処理が不要です。
A掻取歯が「三角おむすび形」で掻取力があり、万一ごみが挟まっても掻き出しが可能です。
B掻取歯が平行に並んでいるので、目幅より大きいごみは取水側に流下しません。
C駆動方式は、Wクランク平行リンク式で、シンプル構造となり軽量かつ安価です。
塵芥の流下状況確認実験
弊社水理研究所の事件水路で、ごみの流下状況確認実験を行い、スクリーンに漂着したごみを確実に流下させると共に、安定した通水の確保が実証されました。